さかさまさか
一歩前に。
『ラーちゃん?』
『はい?』
『寝てた?』
『今から頼めないかな?』
『何を?』
『写真!』
『なんで?』
『ぼくの始めての記事なの?』
『えっ。』
『お願いします。』
『ぼくがあなたにお願いする事ないでしょ?』
『はい。』
『ありがとね』
『うん、うん、渋谷の。』
『また、電話付近でして2時よ。』
『わかりました。』
カメラ、カメラ、あった!!
押入れの中から出てきた。
充電しなきゃ。

久しぶりに、カメラをオンにして画像をみると、桜が写っていた。

桜の写真かぁ。

あれから、写真を撮っていないんだ。

いけない!支度しないと。
私は、ジーパンと白いTシャツのうえにこないだ買った黄色カーデガンを羽織った。

電車に、揺られながら懐かしい写真を眺めた。
土手、空、コスモス、タンポポ。
大雪。おばぁちゃん。
日々徒然を撮っていた。
渋谷に着き改札を出ると、ケンジが手を振る。
『なんで?カメラの人いないの?』
『うちみたいな小さい所は一人でやるのが、基本。だけど、向こうが初取材で綺麗に撮ってもらいたいって。』
『でっ』
『いいカメラマンつけますって。』
『エヘッじゃない。』
『高3の時日本一になったじゃん。』
『もう、6年前だから。』


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