お前が愛しすぎて困る



俯いて黙ったままの花南の肩を掴んで身体を離すと


俺を見上げた花南の目が潤んでいた。


「...何があった?」


声を殺して、


できるだけ優しく話かける。


花南の細い肩が微かに震えていた。


それだけで、


花南を抱く腕に力が入る。


「...ごめん。でも、大丈夫。」


花南が一歩下がって距離を取った。


いつもの俺たちの距離。


「変な奴らがいたけど、気がついて逃げてきた。」


花南がいた方に目を向ける。


暗闇と逆光ではっきりとは見えない。


でも、


大分後ろに人影が3つ見えた。


暗闇の中の男たちの方を睨みながら、


花南の肩に手を回した。


「...行くぞ。」


そいつらの視線から守るように花南を隠すと


モールへ引き返した。



< 28 / 55 >

この作品をシェア

pagetop