クールな先輩の心を奪う方法

そう言って微笑めば、美雨も恥ずかしそうにはにかんだ。

…どうしてだろう。
今迄こんな事は無かったのに。

美雨が喜んでくれるなら、笑顔を見せてくれるなら、いくらでも、愛の言葉を囁けた。

…それほど、美雨が好きだと言う事か。
好きなんて軽い想いじゃない。

彼女を愛してる。
彼女が、愛おしい…。
彼女の全てを包んでやりたい…。

「…保田さん？」
不思議そうな顔で俺を見上げた美雨。
その上目遣いに、ドキりとする。

…ほんのり桜色の唇に無意識に、自分の唇を重ねた。

「あ、あの」
真っ赤顔になり、潤んだ瞳で俺を見つめる美雨。

…どれだけ俺を誘うんだ。

「お腹空いただろ？飯、食べよ」
俺の言葉に頷いた。

…。

「…美味しい〜。
保田さん、料理上手いですね。
私より、断然、上手です。…なんか、悔しい」

「そうかな？…美雨が元気になったら、手料理ご馳走になるから…楽しみにしてるよ」

「…あんまり期待しないでくださいね」
そう言って、美雨は、苦笑いした。