クールな先輩の心を奪う方法
その日の晩は、美雨をしっかり抱き締めて眠りについた。

…美雨が眠りについても、なかなか眠れずにいた。

数日前に、美雨を、聖が抱き締めた。
その事を美雨は覚えてない。
一晩中、弱った美雨を抱き締めた聖に嫉妬してる。

俺達の関係を知らなかったとはいえ、許せない。それくらい、嫉妬してる。

そのうえ、聖は美雨に告白までしている。いつか、聖に、美雨を奪われそうな気がして、抱き締める腕に力が入った。

「…ん」
苦しかったのか、美雨がモゾモゾして、パッと、腕を緩めた。

すると、今度は逆に、美雨が俺を抱き締めた。

その温かさに安心したのか、俺も自然と、眠りについた。

美雨は俺にとって、なくてはならない存在になった瞬間だった。
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