クールな先輩の心を奪う方法
…隙を見て、美雨は本題に入ろうとする。だがオレは、そうさせないように話しを逸らし、食事に誘う。

…困惑気味の美雨に、少しばかりの罪悪感を抱きながら、どうでもいい話しでその場を繋ぐ。

…どんなに、引き伸ばしても、その時は必ず来るのに、どうしても、そうさせたくなかった。

美雨の口から、断りの言葉を聞きたくなかった。

食事も終わり、夜の街を歩く。
オレの一歩後ろを美雨は歩く。

「…安藤さん」
「…聞きたくない…そう言ったら、佐々木は困るかな?」

そう言って振り返ると、案の定、困った顔の美雨。

「…ゴメンなさい。
安藤さんの気持ち、嬉しかったです。
でも、私には、保田さんが必要な人…
絶対手放したく無い、大事な人…かけがえのない存在なんです」

そう言った美雨の瞳は潤んでいた。
「どんだけ、好きなんだよ」
「…目に入れても痛くないくらい?」

その言葉に、思わず噴き出す。
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