*心ボール*

何も出来ないの?

ガラッ

「っキャプテン!
失礼します!!」

キャプテンの部屋は、キレイだったけど
殺風景な気もする。
まるで、キャプテンの心を写したみたいだ。

「キャプテン、調子どうですか?
キャプテン?キャプテン!!!」

キャプテンは、やっぱり上の空で、
私じゃない、どこか遠くを見て、

「あぁ、ごめんごめん。
大丈夫だよ。手と足やっちゃっただけだし、
すぐ、復活出来るから。

それと、さ。
退院するまでは、来ないで。
リハビリしてるところ見られたくないんだよね。
だから、お願い!!!」

キャプテンが、心配だったけど、
そうだよね。
私だって、そんな姿見られたくないし。
当たり前だよね。

「ダメかな?」

「だ、大丈夫です!!
じゃあ、先輩方にも言っておきますね!!」

私の答えには、知恵と先輩は、
「え!?」
って顔してたけど、
大丈夫、だよね。

そこで、知恵が、
「ねぇ、陽花。
塾に行かなくて良いの?」

時計を見ると、塾がもう始まってしまっている。
キャプテンの事は心配だけど、
塾行かなきゃ、お母さんに怒られるし、
あぁ、もう。どうしよう!!!

「陽花。
行ってきなよ。
私の事は心配しないで。」

「うぅぅ。
分かりました。
じゃあ、絶対、
なるべく早く治して来てくださいね!」

キャプテンが言うなら、
仕方ないか。

その日は、知恵と先輩を残して、
私は、帰っていった。


ーーーーーあんな事になるなんて、

ーーーーー思っても無かった。
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