Treasure
放課後―――


さて……と。
帰る用意も出来た。
あとは帰るだけだ。

今日はどこによろっかなぁ。
やっぱりゲーセン?
それともマクド?
甘いものでも食べるかなぁ♪
せやったらクレープ屋さんやな☆


「綾女ぇー! 帰ろうぜぃっ! 
 今日はどこ寄る?」


うきうき気分で言うあたしに、真顔で答える綾女。


「あんた今日委員会やろ」

「………げ…」


帰りにどこに寄るかしか考えてなかったあたしは、そんなこと覚えていなかった。
忘れてた。
キレイさっぱり、忘れてた。

ドア付近にゆっくり目をやると、ノートを持ってこっちを睨んでいる刹那がいる。

…なんであたしが睨まれなあかんねん。


「な…行かなあかんと思う?」

「当たり前やろ。サボる気か」


淡々と答える綾女。
いっつも真面目じゃないくせに…。
綾女のあほ。


「…何って?」


…どうやら彼女は、人の心の中が読めるようです。
キッとあたしを睨む綾女。

鬼だよ。
ここに鬼がいらっしゃる!


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