Treasure
あたしと刹那の口論はずっと続いた。
告白されたことなんて、すっかり忘れてた。

やっと着いた教室。
みんなは好き勝手に喋ってる。
まぁ、まだ始まってないから当たり前なんだけどね。

ザワザワする教室の中で、あたしはある人を見つけた。


栗色のサラサラな髪、
スラリとした長い手足、
整った顔立ち、



―――利恭良紀


あたしが、誰にも明かしていない、好きな人。
もちろん…親友の綾女にもだ。


良紀は生まれつき喘息を持ってて、運動は制限されてる。
やけどめっちゃ優しくて、笑った顔が天使みたいやねんよな。
あたしの好みのド真ん中。
ストライクゾーンぴったし!



良紀と一緒とか…かなり嬉しいんですけど。
刹那……いえ!
刹那様!
選んで下さったことを感謝いたします!
あざーす!!

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