Treasure
勢いよく振り向いた。

目の前には…

栗色のサラサラな髪、
スラリとした長い手足、
整った顔立ち、


「俺のこと、何かゆった?」


よよよよよ……良紀ぃ!


「今なぁ、ゆーちゃんが利恭のこと――んー! んー!」


あたしは慌てて、いーちゃんの口を塞ぐ。
駄目っすよ。
ゆったらあかんっすよ。


「や、何もないよ! どしたん? 良紀」


必死にフォローするあたし。
いーちゃんは今もあたしの腕の中。
口は押さえられたままでね♪


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