Treasure
ポカンとした顔でいるあたしをよそに、刹那は言葉を続ける。


「や、だって喧嘩してんやろ? いっつも一緒に居った2人が、今居らんもん」

「――仲直りなんかする訳ないやん…教室戻ろ」


あたしは教室に向かって歩き出す。
だけど刹那は、止まったまま。


「ほってくで刹那」


一向に動こうとしない刹那を、振り向きながら促した。
だけど刹那は、止まったまま。


「別にさ、普通にしとったらええんちゃん」

「……何が?」

「白浜のこと。自分に非ないんやったら、堂々としときや」


真っ直ぐな目で、あたしを見る。
あの告白のときと同じ、あの目で。



―――なんやこいつ。
かっこええこと、ゆうとるやん。

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