甘い香りの裏側に【短編】
2月13日






「えっ!?むっ、無理だよ~!!!」








予想外に大きな声が出て思わず私は口を塞ぐ。







そして小声で、目の前の私の親友の藤澤美彩子にこう言った。







「大体っ、私は臆病者なんだからチョッ、チョコなんて渡せるわけ無いでしょう!!?」








「ははっ、かーわいんだから優奈ってば。」








私、木崎優奈は一つ上の先輩に恋してる。









彼の名前は中原晴人。
容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群な彼は当然モテる。







でも、彼は誰とも付き合っていない。




モデルをしてるあの先輩も、家がお金持ちのあの先輩も、可愛らしい声したあの先輩も。




噂によると全員振られてるらしい…




でも好き。
2年前に痴漢から助けてくれたのにお礼もできていない。

だからこの思いと2年前のことありがとうって伝えたい。








「そりゃ、私だってお近づきになれたらなって思うよ?でも、無理!絶対!!」








「何事にも勇気よ、優奈。私も今年は頑張るからね!」








そう小さな声で呟いて顔を真っ赤にするみっちゃん。








「ふふっ♪矢島くん?頑張って♡」









BLが好きというみっちゃんに初めて好きな人ができた。







相手は矢島くんという好青年。

可愛いみっちゃんはとても幸せそうだ。









「私のことはいいの!!ま、詩穂さんに手伝ってもらいな。詩穂さんも彼氏にあげるんでしょ?」







詩穂さんというのはうちの馬鹿ねぇ。
もとい、詩穂ねぇのこと。


高校生の時にできた彼氏とまだ続いている。





あ、でも。







「なんか、喧嘩してたっぽいよ。まー、大丈夫だろうけど!」









詩穂ねぇの友達、奈津美さんに電話で愚痴ってたのを盗み聞きしちゃった。

奈津美さんは1年くらい前に結婚したばかりの新婚さん。うちの馬鹿ねぇと比べ物にならないくらい可愛い人、なんだよねー





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