甘い香りの裏側に【短編】




「ふーん。じゃ、あんた頑張んなさいよ!先輩は来年にはもういないんだから!」







「うっ」








痛いとこついてくるなぁ。








「うっじゃないわよ!いい!?こういう時じゃないとあんたは一生告れないわよ!?それでもいいの!!?」






「わっ、わかったよ!作ってくるよ!」








と、言うわけでスーパーによってちゃっかりチョコレートを買い込む私。







「やっぱ隣町は安いわ~!って、詩穂ねぇ!!負のオーラ漂わせないでくれる!?さっさと買うよ!」







「なによっ、優の馬鹿!高校生だからって浮かれてんじゃないわよ!!私達だってね!高校生の頃は「はいはい、どうでもいいから。さっさと買っちゃって!」








「はぁい。」







まったく詩穂ねぇは仕方ないな…








「♪~♪~」








可愛いラッピングがたくさんあるコーナーを見ていると買い物かごを可愛く持った男の人が…






って、顔めっちゃイケメ…!!?







なっ、中原先輩!!!?





なんで、そんな可愛いエプロン!?
そしてなんで、そんなにノリノリ!?








…ま、気のせいか。




と現実逃避をしていたけど、先輩は私が同じ高校の制服を着ていたことに気づいたらしい。





!!!???

やっ、やばい!!!!





的な顔をして逃げていった。









え…何?どーゆーこと?









つまり先輩は罰ゲームとかであんな服着せられたわけじゃなくて。







………趣味?









「え…えぇーー!!?」







「どうしたの、優。早く帰ろー?」








「え、あ。う、うん。」








帰ってからもう一度考える。








えっと、先輩はハートエプロンが大好きで。




…違う?




女装、ていうか、なんていうか。









「ねー、優!牛乳これぐらい?」








「え?うん。」








「粉はこれ?」








「うん。」









「卵は1パック?」







「ん。」








「あとは、バニラエッセンスは1瓶?」









「うん。」









「砂糖は1キロ?」









「うん。…うん!?ちょ、待って!!!!」







ボールには収まりきらない量。





周りにバニラエッセンスの香りを撒き散らしながらルンルンでかき混ぜる阿呆ねぇ。







「ばっ、馬鹿ねぇ!!!何してるのよ!?しかも片栗粉で何作るつもり!?」






木崎詩穂の何分かクッキング~






牛乳       1リットル

片栗粉      500グラム

卵        10個

バニラエッセンス 50グラム

砂糖       1キロ






一体どうしたらこんな間違いをするの!?








料理下手な詩穂ねぇ。


昔から料理するのはいつも私。





これを見てくれればわかるだろうけど阿呆ねぇは料理音痴なのだ。








「あーもうっ、余計な仕事増やさないで!もう阿呆ねぇは洗いものしてて!!」








「優がいいって言ったんじゃない!」









「限度があるでしょ!?」







「はいはい、でも馬鹿のは私が作るからね!」







あ、彼氏のは作るんだ。








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