麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
「セレイア!」
ディセルは粘液に意識を集中させ、冷たい力をそこに送り込んだ。
すると。
粘液が瞬く間に凍り、ぱきぱきと音を立てて崩れた。
「ディセル! ありがと!」
そのおかげでセレイアは甲虫の攻撃をかわすことができたようだった。
しかし甲虫が今度はくわっと口を開いてセレイアに迫る。
鋭い歯が生えていて、かまれればひとたまりもないに違いない。
「セレイア様! これ、これを…!」
フリムがよろよろと起き上がり、何かをセレイアに手渡す。
セレイアは咄嗟にそれに手をやると、つかんだそれを甲虫の口に突っ込んだ。
それとは―
巨大な額縁入りの絵画であった。
縦に突っ込まれたため、甲虫は口を開けたまま固定されてしまったようだ。
かなり慌てているのがわかる。
その隙を逃す、セレイアではなかった。
セレイアは甲虫の背後に跳び上がると、力いっぱい槍を突きおろして、甲虫の脳天を串刺しにした。
ギュオォォォ!
声にならない声をあげて、甲虫は絶命した。
紫色の体液が飛び散り、広がったかと思うと―
その体も体液も、すべてがしゅんっと霧散した。
ディセルは粘液に意識を集中させ、冷たい力をそこに送り込んだ。
すると。
粘液が瞬く間に凍り、ぱきぱきと音を立てて崩れた。
「ディセル! ありがと!」
そのおかげでセレイアは甲虫の攻撃をかわすことができたようだった。
しかし甲虫が今度はくわっと口を開いてセレイアに迫る。
鋭い歯が生えていて、かまれればひとたまりもないに違いない。
「セレイア様! これ、これを…!」
フリムがよろよろと起き上がり、何かをセレイアに手渡す。
セレイアは咄嗟にそれに手をやると、つかんだそれを甲虫の口に突っ込んだ。
それとは―
巨大な額縁入りの絵画であった。
縦に突っ込まれたため、甲虫は口を開けたまま固定されてしまったようだ。
かなり慌てているのがわかる。
その隙を逃す、セレイアではなかった。
セレイアは甲虫の背後に跳び上がると、力いっぱい槍を突きおろして、甲虫の脳天を串刺しにした。
ギュオォォォ!
声にならない声をあげて、甲虫は絶命した。
紫色の体液が飛び散り、広がったかと思うと―
その体も体液も、すべてがしゅんっと霧散した。