麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
賊のことに加えて霧のことも、神殿に帰っていた大巫女に報告したあと、ばたばたとあわただしく残りの仕事を終え、陽落時(17時)に終業となった。
セレイアの一言は、すでに真っ暗になった、屋敷への帰り道でのことだ。
「どういうこと?」
ディセルが尋ねると、セレイアはふう、とためいきをついた。
しばし沈黙が落ち、さくさくと雪を踏む足音だけが響き渡る。
彼女の表情は、あたりが暗すぎてあまり読み取れない。
でもきっと、暗い顔をしているだろうことはわかる。
「…私ね、神様の予言を聞く、姫巫女として一番大切な力が…ないのよ」
「…!」
それは彼女にとってどれだけ勇気のいる告白だったろう。
それを思うだけで、ディセルは胸が痛くなった。
セレイアの一言は、すでに真っ暗になった、屋敷への帰り道でのことだ。
「どういうこと?」
ディセルが尋ねると、セレイアはふう、とためいきをついた。
しばし沈黙が落ち、さくさくと雪を踏む足音だけが響き渡る。
彼女の表情は、あたりが暗すぎてあまり読み取れない。
でもきっと、暗い顔をしているだろうことはわかる。
「…私ね、神様の予言を聞く、姫巫女として一番大切な力が…ないのよ」
「…!」
それは彼女にとってどれだけ勇気のいる告白だったろう。
それを思うだけで、ディセルは胸が痛くなった。