WHY
~けつだん…~
 「この間はごめんなぁ~…」



 近くに寄ってきて、頭をなでてきた。



 正直、気持ち悪くなりそうな気がした。



 こんなことはない、大の大人が泣いて、頭をなでられる。



 好きな人であったら別なんだが…



 「もういいです、これからどうするんですか?」



 義理でも聞いてみた。



 「そうだなぁ~先ずは次の就職先を決めてからにするわ。」



 力ない言葉が返ってきた。



 あれだけの事をしたんだ、さっさと辞めてほしい、そういいたかった。



 「そうですかぁ~で話ってなんですか。」



 「ん~改めて、言うとなんだが…



 言葉をためて次の瞬間吐き出した



 「お前の事が好きだ。それは今でも変わりはない。


 傷つけておいてなんだが…それは変わりはないんだ。だから俺がやめてもそばに居てくれ」

 …言葉が出ない。




 うすうすは感じていたが、私は人形扱いしかしてなかった相手に



 好きだなんて言葉を浴びせられても、どうもこうも反応すらできない。



 ましてや、生徒と先生の関係以外何も成立しない中でだ。



 ん~何にもいえない、即答すらできな状態がずっと続いた。



 「それは、お応えできません。自分は生徒です。



 先生とはそういう関係以上何もありませんから…。」



 きっぱりといい切った。



 事実上の縁の断ち切りだ。



 
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