WHY
「コンバンワ。コンドノヤスミハイツ?」
 ユメトからだった。何日も経っていないのに、久しぶりに関した。

 ぶっきらぼうに聞く所がまた、彼のよさのかもしれないと。

 急いで、公衆電話を探して、あわてて打った。

 何で、いつもキオスクの隣なんだろうと、不思議に思ったが。

 「オボンヤスミカナ…ソレマデレンシユウダカラ。」
 あと10日2週間弱我慢、我慢、毎日過ごしていればあっという間に終わると
 自分に言い聞かせた。

 
 帰りの電車の中では色々整理する為に、手帳を広げた。
 あぁ~この手帳も3日坊主の手帳だ…
 早くこの手帳を埋められるようになりたいなぁ~なんて…

 鈴木の事1番、ユメトの事2番、いや部活の事かなこれはでもイコールにしとこ。

 自分の癒えぬ?心3番と…

 自分が3番になった事が少し、嬉しかった。

 今まで1番で、それ以下もそれ以上も考えられなかったのに、ポイントが

 高くなった。自分の中では。

 色々考えられる事がすばらしい。自分は生きている、人間なんだと
 少し大げさ気味に思えた瞬間だった。

 確実に一歩前進、でもあの恐怖は思い出すととまらない。
 妄想の悪しき世界に入ってしまう。

 悲しいけど、これが限界なのかもしれない。

 でも、限界と思えば、それまでだから、案外自分自身の成長を
 少しの糧にしようとも思った。

 まだまだ、自分との戦い、

 ちょっとだけ、外のビルの照明が目に入ることが出来た夜だった
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