夢道
◇紙切れ


本を開いていっても、

どの本も変わらず

文字が並んでいるだけだった。


何かが挟んである本など

一冊もなかった。


数十冊の本を

見終えたところで、

私はすこしづつ

不安が募っていった。


もしかしたら

もうそんなものは

ないのかもしれない。


私たちが昔、

ここで遊んでから

だいぶ日にちが

たっている。


誰かがその本を読んで、

取り出してしまったのかもしれない。


そう思ったけど、

私は諦めずに根気よく、

本を開いて行った。



< 24 / 160 >

この作品をシェア

pagetop