手紙-あなたへ。-

四。

「おはようございます!」

要への気持ちに
気付いた恋する女は
仕事も張り切りだした。

恋の力は絶大で
会うお客さんたちから


「麗奈
お前綺麗になりだしたな」


そう言われる事が
増えだした。

瞬く間に店では首位を取り
ママや姉さんたちを
ごぼう抜き状態で
客を手玉に取った。


「麗奈チャン絶好調ね」


ママにそう言われる度
忘れていた女が奮い立つ。

ただ、高飛車には
決してならなかった。

ママにも姉さんにも
献身的に尽くした。

そんなある日の夜。


『麗奈、明日暇?』


私は店を上がって
家で煙草をふかしていた。


「昼間なら暇だよ。
何で?何かあるの?」
『会おうぜ』


大変な事態だ。

要と店の外で会う…
ある意味考えてなかった。


「いいよ」


飛び出しそうになる心臓。

私はただ楽しみで
着て行く服や髪型、
色んな事を考えた。

子供を生んでからでも
誰かを好きになって
自分が輝ける事実も
私は幸せだった。
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