ビターは大人‼︎でも恋の味
アイツ、幼馴染の藤埼奏人は赤縁のオシャレなメガネを掛けて目の前でノートと睨み合いっこ。薄い色素のフワフワした奏人の髪は揺れて私は食べてるバタートーストを食べ切ろうとしてる。

「国語の小テスト今日か、」

「そうだよ賀茂先生、休みだから戸松先生が代わりかも」

奏人は私より背が高くて、手の大きさも違う、顔整ってる細く見えるけどしっかりと腕には筋肉が付いてる。

小さい頃なんて背も手も大きさが変わらなかったのに男の子って成長が早い。食べ終えたお皿を洗って冷蔵庫に貼ってある付箋を取って読む。

”ごめんね、仕事遅くなります
体調管理にはしっかりね

愛を込めてパパとママより”

「へー、おばさん達また、遅いの??」

「うん、」

付箋を奏人が取った、両親二人とも仕事で殆ど家に帰ってこない。寂しいけど、16歳になっても私の我儘で振り回したくない。ポンと頭に手を乗せて来る奏人。無表情だけど撫でてきてなんだか照れくさい気分になる。

「どうしたの??」

「別に、」

「頭撫でなるとか珍しい」

「別に…、子供身長変わらないなって」

………やっぱ、意地悪だ……コイツ…

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