残り10cmの恋
クラスごとに並んで点呼をしている時、竜に肩を叩かれた。
「?!」
「あー、あのさ、さっきのこと忘れて」
そう言うと、竜は手で赤くなった顔を覆った。
そんな、竜を見てさっきまでの空気はなくなって、私は普通に笑っていた。
「忘れないよ。貴重だし!
褒めてくれるのこれが、最初で最後かもしれないしね」
「…まあ、もう褒めない」
「いいよーだっ。竜が褒めると気持ち悪いしっ」
「そこ、静かに」
なんて会話をしていると、先生に注意された。
「まあ、そういうことだから」
そう言って竜は、列に戻った。
とりあえず、よかった…。
竜と気まずいなんて最悪だからね。
「何があったか知らないけど、とりあえず一見落着なの?」
ひとみは、笑顔で聞いてきた。
「まあ、ね!」
それから、点呼が終わってバスに乗り込むことになった。
私達の席順は一番後ろ。
5人が並んで座れる席を選んだ。
左から
ひとみ 、私、 輝 、健 、竜
という並び順になった。
座ると、けっこうギューってなる。
輝と、肩が当たるぐらい近いから緊張する。