桜花
鏡花はじっと白蛇を見ていたが、やがて白蛇はチロッと赤い下を出してからスウッと消えた。
それと同時に部屋の明かりがつけられた。
「鏡花、大丈夫かい?」
明かりをつけたのは鏡花の祖母だった。
「じいちゃんが一人でいた鏡花に声を掛けたらいきなり倒れたってんで、慌てて帰って来たのさ」
祖母によると鏡花は倒れたあと村に一人だけいる医者の、海野(うみの)先生に診てもらったらしい。
特に心配はないから鏡花を部屋に運び、そっと寝かしたらしかった。
(やっぱり私、一人でいるようにしか見えなかったんだ……)
鏡花は改めて桜花のことを思い出して俯いた。