本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
俺は気がつくと自分のカバンとコートを掴んでいた。
「おい?小牧・・・お前何やってんだよ」
上野が不思議そうに俺をみた。
だけど俺はもうこのチャンスを逃したら二度と杏奈に会えない様な気がした。
「ごめん・・・会いたかった人がいるんだ。」
俺は上野の声を無視して杏奈の席に向った。

何を話せばいい?
俺は今どんな顔をしてる?
平手のあとはついてないか?
もう頭の中はぐっちゃぐちゃだった。
だけどこれだけははっきりしていた。

何があってももう逃がさない。

「ねぇ~。よかったら一緒に飲みませんか?」
俺は緊張のあまり杏奈じゃない女に声をかけてた。
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