本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
あっ!憶えてる

確か入試が終わって帰ろうとしたら隣の席の男の子の顔色が悪そうだったから先生を呼ぼうと思ったんだけど、近くに誰もいなくて保健室に行こうとだけ言って連れてった。
保健室には先生もいたし男の子もベッドに入ったから安心して帰ろうと思ったんだけど、なぜか手を離してくれなくて、仕方ないから落ち着くまでいたんだっけ・・・
今じゃあ考えられないけど、あの時辛そうな顔で寝ている姿を見て心配になった私は彼のおでこに手を当ててしまった。
もちろん手を当てた瞬間、何やってんの私は!と思いパッと手を離した。
すると苦しそうなにの冷たくて気持ちいい」って言うからどきっとしたっけ。

「じゃああの時の男の子が小牧君だったの?」

「俺が目を覚ました時にはもう君はいなくて後で先生に聞いたら香坂さんって言う女の子だと聞かされた。だから入学してもしいたらお礼を言いたかった。偶然にも2年で同じクラスになれてうれしかった。だけどお礼を言うチャンスがなかなかなくて」
「べ、別にお礼なんて…普通体調fがわるかったら心配するよ」
だけど小牧君は首を横に振った。
「知っている人ならまだしも普通は見て見ぬ振りをするよ。とにかくお礼を言うチャンスをうかがっているうちに、別の感情が芽生えていたことに気づきたんだ」
知らされる事実に驚きのあまりその場にへなへなとしゃがみ込んでしまった。
「香坂さん!?」
小牧君もつられるようにその場にしゃがみ込む
「もう一度言うけど俺、香坂さんことが好きだよ。香坂さんは?俺のこと好き?」
キラキラした目でどストレートな告白をされた私は魔法にでもかかったような気持ちだった。
「は…はい」
好きと聞かれたらちゃんとした言葉で返したかったのになんとも情けない、自身のないイエスだった。
だが、小牧君の顔が一瞬で真っ赤になりくしゃくしゃの笑顔で私を抱きしめた。
「俺も、だ―い好き。」

人生初の初恋と両思いがいっぺんにやってきたのだった。 
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