本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
確かになんでも持っている小牧君に私の悩みなんてわかんないだろうよ。

「それでも・・・・内緒がいい」
私はこの考えを曲げる気はなかった。
「じゃあ一緒に帰りたかったら?」
小牧君の質問攻撃が始まった。
「どこかで待ち合わせ」
「教室で話がしたくなったら?」
「今まで通り単なるクラスメイトって感じで接して欲しい」
小牧君はしかめっ面で私を少し睨む様に見つめてきたが、私もここでおれるわけにはいかない。
「じゃあ…一緒にお昼を食べたくなったら?」
「それは……二人だけの場所を決めるとか?」
ずっと不貞腐れていたのに、2人だけの場所を決めると何気に言った一言に小牧君は飛び付いた。
まるで子犬の様に・・・

「いいね!いいね!二人だけの秘密の場所か~~・・・だったら内緒に しててもいいよ。そのかわり」
小牧君の口角が上がる。
「俺が来てってメールしたら絶対に来てよ。もちろん杏奈が来てってメールしたら俺は何があっても行くから・・・」
「…うん」

秘密の場所を作ることで小牧君は付き合ってる事を黙ってくれた。

それから数日後
小牧君からある場所に来てほしいとメールが来た。
それは音楽準備室だった。
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