君と春を



美月が倒れて3日。

検査の数値は安定してる。
でも起きない。

……誰かこの子を救って欲しい。

美月が苦しさに悶え、悲しみで凍ってしまった姿をこの10年ずっと見てきた。

ただ眠っているように見えるその体は終わりを望むかのように少しずつ機能を低下させるのだ。

しかもこれで2度目。
下手をすると、長くはもたない。

病室をそっと覗くと、また彼が来ていた。

「君に伝えたいことがある。」

そう真っ直ぐに伝える彼の想いだけが、今の私にとって美月を起こすための希望だ。



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