君と春を



優也に手を引かれ、暗闇を歩く。

「どこに、いくの?」

頭の中もフラフラしている。

「どこにも行かないよ?美月と一緒にいる。

もう離さないよ。

誰にも………あいつにも渡さない。」

「あいつ…?…だれのこと?」

どんどん思考が落ちる。

何も考えたくない。

「美月は何も考えないで。

俺のそばにいれば、もう苦しまなくていいよ。」

「くるしまない…?」


……………あいつって、だれだろう。



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