君と春を



カツカツカツ…バン!

「美月……!」

息を切らせて駆けつけてくれた。
この人もやっぱりわたしの大事な人だ。

「百合先生……ありがとう。

私もう一度、頑張ってみるから。

だからもう暫く、見守ってね。」

一瞬驚いた表情を浮かべ、潤む瞳。

「私はてっきりまた起こさないで欲しかったって泣かれるかと………

よかった……美月、よかった。

………おかえり。」

百合先生はとっても優しく、私の手を撫でて握ってくれた。

百合先生の纏うほのかに甘やかな香り。

いつもこの香りに支えられて来た。

「百合先生、…大好き。」



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