君と春を
「とにかく、美月は自分が思ってるより動けるのはその半分と思いなさい。
無理すると容赦なく私の監視下に置くわよ。
春瀬くん、ちゃんと見ててくれる?」
百合先生はことのほか心配そうだ。
それならやっぱり………
「春瀬くん?」
「慎汰さん?」
「………もちろん俺がしっかりみてます。
それで………美月。」
俺は美月の方を向き直る。
「どうしたんですか?」
「……なぁ、俺のマンションに来いよ。」
「………はい?」
美月は心底不思議そうだ。
百合先生はといえば、満足そうに目を輝かせている。
「春瀬くん、あなたやっぱり私が見込んだだけのことはあるわね。
美月、そうしなさい。
私もそれが一番いいと思う。」
「な、そうしよ?
いつもお前の様子見られるし、セキュリティだってしっかりしてるよ。
部屋なら空き部屋あるから好きに使っていいし。」
「でも………」
「でもじゃない。
どうせ俺、毎日お前の様子見にいくつもりだし、それなら一緒に住んだ方がいいだろ?
油断は禁物だって百合先生も言ってるし。
すげぇ心配だし。そうしよ?」
美月は……俯いてしまった。