ヒカリ
さふっ、と音を立てて、私は雪の上に仰向けに寝転んだ。
よく晴れた空には、一筋の飛行機雲が線を描いている。

すぐ隣でもう一度同じ音がして、横を向くと、泉水も寝転んでいる。

私は空を見たまま、手を伸ばすと、泉水と手を繋いだ。

顔も耳も痛いくらいに冷たく、ただ繋いだ手だけが温かかった。

その時、人を好きになるってことが、少し分かった気がした。

「泉水。」

繋いだ手に力を込める。


私は起き上がって、真上から泉水を見つめる。



私の長い髪が、肩からするり、と落ちて、泉水の頬をくすぐる。

くすぐったそうに、ふっと笑った泉水の唇に、私はそっとキスをした。

顔も耳も冷たいのに、手のひらと唇だけ温かかった。

その時、人を好きになるってことが、はっきりと分かった。


最初に約束したよね。


好きになったら。



「さようなら。」



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