ヒカリ
正人さんは体を私に向けて座り直した。

真正面から、正人さんの顔をじっと見た。
この人は、こんな顔だっただろうか。
私はこの二年間、何を見ていたのだろう。

「いつか、恵玲奈が僕を好きになる日がくるだろうか、と思った。だけど、そんな日はこないかもしれない。だから。」

正人さんは、私の目をじっと見た。


「恵玲奈がもし、誰かを本当に好きになったらさようならしようと思ってた。」




好きになったらさようなら。



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