ヒカリ
「泉水に会ってあげてよ。」

ようやく笑いがおさまった頃、陶子ちゃんが真剣な顔をして言った。


「泉水ね、お店とかには来ないでしょ?来たら会えるのに。恵玲奈ちゃんから会いに来てくれるのを待ってるんだよ、きっと。泉水は、ずっと恵玲奈ちゃんのこと、待ってるんだよ。」


陶子ちゃんの小さい顔が、夕焼けの朱に染まっていく。



「まだ…無理なの。」

「なんで?」

陶子ちゃんは腹立たしい、というように叫んだ。


「私、まだまだなの。まだ臆病だし、やりたいこと見つけられてないし、自分がなにかわからないし、だから、泉水に胸を張ってちゃんと好きって言えないの。」

陶子ちゃんは、しばらく何も言わなかった。
恐る恐る、隣を見ると、口を開けて私をじっと見ている。


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