一つの願い事


心配症の母さんを切得し、やっとお許しが出た今日・・
この日の為にオレは、無我夢中でお金を貯めた。

”自分で、飛行機代を出せるなら会いに行ってもいいわよ!”

と言われた一年前、オレは受験中だったのにも関らず、
お年玉、ダチの宿題、家のお手伝いと貯めに貯めたんだ。
そして念願のこの日が来たんだ・が


「このおしるこ・・捨てる訳にはいかないし・・ええい!!全部のんじゃえ」


実はオレ、ジュース100%以外は飲めないんだよね~。
でもって、捨てようにも捨てられないド真面目な性格です。

自分でも言うのもなんだが、15歳にしてスゲエだろ?だって
世界中で一番、大好きなコウ兄に言われた3条件をず~っと守っているからだ。
その条件とは・・

1.人さまから貰った物は大切に頂き使う事!
2.困まっている人を見かけたらどんな時でも助ける事!
3.コウ兄ちゃんの言う事はいつでも正しいんだ!!


幼稚園に入学する前から、毎日のようにコウ兄ちゃんに言われてきた3条件。
この3条件を守る事でコウ兄に近ずけると思っていたんだ。
忠実を守っているうちにいつしか、コウ兄はオレの憧れの人となっていたんだ。

何と言えばいいのか?オレにとってのコウ兄は、神様の次に偉くて素晴らしい人なんだよ。
いつもオレの事を優しく見守り、なにかと助けてくれたのだ。
喧嘩なんって一度もした事がないんだよ!?凄いだろ?





でも・・・ある時、コウ兄はオレを避けだしたんだ。





本人はオレの勘違いだと言うけど・・
携帯でしか話そうとしないさないコウ兄。
ゼッタイに変だと思わないか?だから、オレはその事を確かめたくて、コウ兄に会いに行くんだ。



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