あなたの優しさが…雅樹の想い



毎日山積みの書類を片付けていた。


早く翼を…美咲を迎えに行きたい


そう思っていた。


ただ…ここで仕事をぶん投げてまで行けば…


お袋に見つかる。



お袋が文句を言うわけじゃねぇ…


お袋は…

俺に女が寄り付いたら


容赦なく女を切る。


俺の前に二度と姿を見せない。



『やっぱり、あんたを見ていない』


そういうんだ。



お袋なりの【やり方】なんだろうけど…



俺が昔、好きになった女がいたが…


そいつは風呂場行きだった…



さすがにあの時はブチ切れた。



けど、大東が調べた話だと


俺のブランドと金が目当て。


そんな女、いくらでもいる。

だから俺は気にしない。


けどお袋は違った


『あんたが好きになるって事は、相手にも覚悟が必要なんだよ』



お袋は堅気。

親父と一緒になるのに

家族も捨てたと聞かされたことがある。



生半可な気持ちで女と付き合えない


それがわかってから


俺の瞳には女が映らなかった。
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