あなたの優しさが…雅樹の想い


美咲は小食…


に、しても、ほとんど食べない、



「あの…普段から夜はたべてないので、あまり食べれないんです…」


『あぁ、残していいぞ。好きなものだけ食え』


「あ、いえ。嫌いな物はないんです。」

「昔から、作ってもらったものは残さず食べなさいって…」


『無理して食う必要ねぇよ…』


「あの…持って帰ってもいいですか?明日の朝、食べたいので…」



俺は驚いた。


今まで色んな女と飯を食ったが

そんな女は居なかった。



【物を粗末にする奴には、ろくな奴はいないわ】

お袋がよく口にする言葉だった。


俺は女将を呼び

料理を包むよう言った。



「そう言っていただけると、料理人も喜びますわ」

そう、女将は美咲に笑顔で言う。


「雅樹くん、貴方にはもったいないくらいだわ」

そうクスクス笑いながら女将は言った。
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