あなたの優しさが…雅樹の想い
『黒田…ここ数ヶ月、売り上げあがってんな』
風俗店のマネージャー
黒田
こいつはちゃんとキャストのことを見ている。
スカウトすることもあるが
こいつの目は確かだ。
信頼ができる。
「雅樹さん、そうなんすよ!」
『なんでだ?』
「翼ですね」
翼?いたか…そんなキャスト。
「あ……雅樹さん、翼に会ったことないですね。あいつ、いつも予約入ってますから」
いつも?勤務中ずっとか?
「家にいたくないのか、わからないですが、休まないんです。昼からラストまで…」
『借金か?』
「いえ、翼にはありません……ただ…」
ただ?
「翼をここに連れてきたのは…沢田組でして……」
沢田組。
うちの桐生組の傘下だが…
あまりいい組ではない。
汚い事を平気でする組だ。
先代との付き合いがあるからと
親父…いや、組長はある程度
目をつぶってやってる。
『黒田…調べろ』
「翼の時間、あけますね」
黒田は頭がきれる。