あなたの優しさが…雅樹の想い


『黒田…ここ数ヶ月、売り上げあがってんな』



風俗店のマネージャー


黒田


こいつはちゃんとキャストのことを見ている。


スカウトすることもあるが


こいつの目は確かだ。


信頼ができる。


「雅樹さん、そうなんすよ!」


『なんでだ?』


「翼ですね」


翼?いたか…そんなキャスト。



「あ……雅樹さん、翼に会ったことないですね。あいつ、いつも予約入ってますから」

いつも?勤務中ずっとか?


「家にいたくないのか、わからないですが、休まないんです。昼からラストまで…」



『借金か?』


「いえ、翼にはありません……ただ…」

ただ?


「翼をここに連れてきたのは…沢田組でして……」


沢田組。


うちの桐生組の傘下だが…

あまりいい組ではない。

汚い事を平気でする組だ。


先代との付き合いがあるからと

親父…いや、組長はある程度

目をつぶってやってる。




『黒田…調べろ』

「翼の時間、あけますね」


黒田は頭がきれる。
< 4 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop