あなたの優しさが…雅樹の想い

見て見ぬ振り。


俺は書類に目を通しながら

翼を見ていた。



俺が仕事してると思って


ハンガーに上着をかけ、

コーヒーを持ってきた。


こんなキャストは初めてだ。



だから聞いてみた


『なぜコーヒーを?』


翼は今にも消えそうな瞳で俺を見た。


けど、言葉には強さがあった。



なんだか、放っておけなかった。


俺がフッと笑うと

翼もニコッと笑い返してくる。



だからか……客が翼を指名したがるな。






< 8 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop