生意気毒舌年下男子







「内緒にしてよね。
表向きは私と慎は血の繋がった姉弟なんだから」

「わかったよ雫。
あたしも雫と慎くんが哀しむことはしない。
雫はあたしの大事な親友だし、慎くんは親友の弟だもんね」

「ありがと、幸来ちん。
早乙女くん、幸来ちんを私のパパと同じ目に合わせたら、承知しないわ。
今度こそ復讐してあげるんだから!」





2人は仲良さげに話しながら、行ってしまった。

鞄を持っている所を見ると、2人はこれからサボるみたいだ。

堂々としすぎて、逆に驚いた。





「しかし、雫と慎くんにまさかそんな秘密があったなんてね」

「ああ……。
まさかあの店長の娘だとは、思わなかった」





残されたあたしたちは、手は繋いだままだ。





「二瑚、これからも一緒にいてくれる?」

「当たり前だろ。
幸来こそ、俺の傍にずっといろよ」

「うんっ!」





あたしたちはキスを交わした。

もうずっと離れないと言う証のキスを。





「これからもよろしくお願いしますね、幸来先輩?」

「え?
突然年下面ですか。
いきなりすぎて、対応に驚くんだけど……」

「ん?
じゃあ、いつもの俺でいるよ」





あたしの付き合った男は、

生意気毒舌年下男子。






でも、あたしはそれで良い。






二瑚がいてくれるのなら、

あたしは……何もいらないと、言えるから。








【END】









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