彼岸の杜
◇7◇



起きて一番に思ったことが。



「目がぁ…っ」



だったことがあたしがどれだけ間抜けかを知らしめているみたいで自分でも滑稽だと思った。あたしは 色素の薄いグラサンかけた天空に浮かぶファンタジーな島を望んでる厨二野郎ではない。


というか他になんか思うことあるよねって自分でも思うよ。昨夜のこととか昨夜のこととか茜のこととか清二さんのこととかあのあとのこととか話のこととか、って全部昨夜のことじゃねぇか!


ダメだ、意味わからなさすぎて自分でも何言ってるのかわからん。とりあえずは寝起き最初の言葉が「目がぁ…っ」はないと思うってことだけは確かだ。


わからないことはないけどね、あれだけ号泣したらそりゃ目も腫れるだろうし喉もおかしくなるかもだし頭だってほんのり痛いけどね!それでもあたし阿呆だろ?!


のろのろと起き上がってみれば隣の茜の姿はなく。まぁお日様上ってるしいつも通りと言えばいつも通りなんだけども、昨夜のこともあってなんとなく…落ち着かない。


変わらない茜の姿を確認したい気持ちもあるけどあんな2人のことを見ちゃったあとだし…しかもはっきり言ってあれ覗き見だし、心苦しいというか…。


結論から言うと会いたいけど気まずいのである。この上なく気まずいんだって。だって人の秘密勝手に知っちゃったようなものなんだもん!向こうは知らないとは言え!





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