彼岸の杜



自分のことを見つめ返してみようって思ったときに一番最初に目に入ったのが自分の見た目。


高校に入って、みんな髪を染めてお洒落になって。知っている子の中にあたしみたいに真っ黒な髪で真っ直ぐな髪をしている子なんていなくなった。


服装だって流行に乗ったやつだったり大人っぽくて少し露出があるようなセクシーなものを着て、お化粧だって華やかで派手なものをしていた。


あたしはそれに便乗していただけ。そこにあたしのしっかりした意思なんてなかったし、まして好みなんてさらさらなかった。


ただみんなに合わせて、みんなの乗っている波に乗り遅れないようにって必死になってた。


恋愛だってそう。みんなが彼氏を作り始めたからあたしも作らなきゃいけないんだって勝手にあたしの中で思い込んでいただけ。


冷静になってあとから見つめ返してみれば今まで告白したり好きだって言っていた人の中に本当に好きだって思う人なんていなかった。


そこに少なからず好意や憧れがあったとしても、恋愛感情は全くと言っていいほどに見つからなかった。



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