彼岸の杜



あたしはごくごく普通の高校1年だ。もうほんと、自虐の趣味があるわけでもないけどただの普通の女子高生。


顔は……可もなく不可もなく?


そこそこかわいいって言ってくれる友人だっている。(ここで『そこそこ』って言ってくれるところが信頼できるよね。あたしだって自分の顔見て「あ、あたしってちょーかわいい!」なんて思わないもん)



そんなこんなで(どんなこんなだよ)高校生活エンジョイしようぜーとイマドキの女子らしく恋愛に精をだしていたんだけど。




「また、ふられた……」



ぐす、と惨めな気持ちを噛み締めて鼻をすする。



「うん、そうだねー」


「何そのイマイチ関心のない返事!?」



親友が恋に敗れて傷心なうだよ!?もっと労ってくれよ紗季さんや。


恨みがましく睨んではみたものの、優しい慰めの言葉の代わりに、呆れたようなため息と憐れみの視線を頂いた。


そしてとどめの一言。



「だってさ、高校入学してコレで6人めよ?」





< 2 / 162 >

この作品をシェア

pagetop