彼岸の杜
あたしはごくごく普通の高校1年だ。もうほんと、自虐の趣味があるわけでもないけどただの普通の女子高生。
顔は……可もなく不可もなく?
そこそこかわいいって言ってくれる友人だっている。(ここで『そこそこ』って言ってくれるところが信頼できるよね。あたしだって自分の顔見て「あ、あたしってちょーかわいい!」なんて思わないもん)
そんなこんなで(どんなこんなだよ)高校生活エンジョイしようぜーとイマドキの女子らしく恋愛に精をだしていたんだけど。
「また、ふられた……」
ぐす、と惨めな気持ちを噛み締めて鼻をすする。
「うん、そうだねー」
「何そのイマイチ関心のない返事!?」
親友が恋に敗れて傷心なうだよ!?もっと労ってくれよ紗季さんや。
恨みがましく睨んではみたものの、優しい慰めの言葉の代わりに、呆れたようなため息と憐れみの視線を頂いた。
そしてとどめの一言。
「だってさ、高校入学してコレで6人めよ?」