強引社長の甘い罠
細長い病室にはベッドが一つと、小さめの二人掛けソファ、作り付けのデスクとその上にテレビが置いてあった。看護師さんがベッドカバーをめくると、祥吾は私をそこにそっと降ろした。そして靴を脱がせるとすぐに布団をかけてくれた。
布団はまだ冷んやりとして冷たいけれど、ないよりはずっといい。悪寒がひどくて口を開けたら歯が鳴ってしまいそうだ。
屈んだ彼は大きな掌を私の額に当てて、眉間に皺を寄せている。
少し近づきすぎじゃない?と指摘したくなるような位置に立っている看護師がポケットから体温計を取り出して祥吾に渡した。彼はそれを受け取ると部屋の隅に立て掛けてあった折りたたみ椅子を持ってきて広げ、私のすぐ傍に座った。
「今朝の熱はどれくらいあったんだ?」
祥吾がほんの少し布団をめくりながら聞いた。右手には体温計を持っている。
「……三十八度八分」
祥吾の顔が険しくなった。何? 怒っているの? なんで? 訳がわからない。
彼の左手が私の胸元に伸びてきた。Tシャツの襟元をクイ、と引っ張ろうとする。もしかして私の脇に体温計を差そうとしてるの? やだ、やめてよ。そんなことを祥吾にしてもらうなんて……。体温を測るくらい自分でできる。
自分の顔が急激に熱を帯びていくのが分かった。風邪を引いて上がった体温とは別物の、熱い感覚。恥ずかしい……。
布団はまだ冷んやりとして冷たいけれど、ないよりはずっといい。悪寒がひどくて口を開けたら歯が鳴ってしまいそうだ。
屈んだ彼は大きな掌を私の額に当てて、眉間に皺を寄せている。
少し近づきすぎじゃない?と指摘したくなるような位置に立っている看護師がポケットから体温計を取り出して祥吾に渡した。彼はそれを受け取ると部屋の隅に立て掛けてあった折りたたみ椅子を持ってきて広げ、私のすぐ傍に座った。
「今朝の熱はどれくらいあったんだ?」
祥吾がほんの少し布団をめくりながら聞いた。右手には体温計を持っている。
「……三十八度八分」
祥吾の顔が険しくなった。何? 怒っているの? なんで? 訳がわからない。
彼の左手が私の胸元に伸びてきた。Tシャツの襟元をクイ、と引っ張ろうとする。もしかして私の脇に体温計を差そうとしてるの? やだ、やめてよ。そんなことを祥吾にしてもらうなんて……。体温を測るくらい自分でできる。
自分の顔が急激に熱を帯びていくのが分かった。風邪を引いて上がった体温とは別物の、熱い感覚。恥ずかしい……。