【いつきの小説講座】
では他にしてはいけない例をいくつか挙げてみます。





 涼はわたしに満面の笑顔を向けていたけれど、心の中は哀しみで満たされていた。




相手の心が読める能力でもないかぎり本心を知ることは出来ないのでこの文章は×。




 わたしが買い物に出かけている間に涼はわたしに内緒でプレゼントを冷蔵庫に隠そうとしていたけれど、そんなことは知るよしもなかった。




気付いていない以上“わたし”にはわからないことなので、この文章は×。




 わたしに気付かれないようにして何者かが後をつけていた。




これも気付いていないのだから書いてはだめ。




 そこにはわたしの知らない文字で「愛してる」と書いてあった。




読めない=理解出来ないのだから意味を書くことはできない。

どうですか?

これらが1人称で書いていく上で気を付けなければいけないことです。

こうやって書いていくとなんだか制限がやたらと多く感じてしまうけれど、主人公の気持ちに、立場になって考えていけばそれほど難しくはないはず。

なんだかんだといっても、1番親しみやすい文体ですものね。

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