俺22歳、アイツ3歳2ヶ月

初デート

待ちに待った待ち合わせの時間が近付いてきた。

俺は優を連れて待ち合わせ場所まで来た。


いろんな飲食店が入っているビルの1階の大きな自動扉の前で行き交う人波を眺めながら彼女が来るのを待っていた。



優は今ではあまり見向きもされなくなった公衆電話のボタンを背を伸ばして必死で押して遊んでいる。


きっと彼女も優が居なかったら俺が誘っても警戒して誘いになんて乗ったりしなかっただろうし

誘う以前に喋りもしなかっただろうな・・・。


そうそれ以前に、優が来たために俺は常連のコンビニをあえ無く断念した訳だから

優が来なければ彼女に会うことすら無かったんだ。


とそう思いながら


飽きもせずボタンを押すことだけに執着している必死な優に心の中で感謝した。
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