.:*・'仮恋〜甘い声で惑わす君〜.:*・'
「そんなこと言われても・・」
「言い訳はいい。ほら、恭弥って呼べ」
「・・・きょ・う・・や・・」
「聞こえない、もう一回」
「・・・きょぅや」
「もう一回」
「もう、恭弥っ!!」
何回もしつこく聞いてくる鳥羽君に思わず大声で呼んでしまった。
「ふっ、なんだよ呼べるじゃん」
ニヤッと笑う鳥羽君に顔が熱くなる。
「鳥羽君が何回も呼べって言うからっ!」
「しょうがねぇじゃん。呼ばない優実が悪い。てゆうか、また鳥羽君に戻ってるし」
はっとし、口元を押さえる。
「まぁ、いいや。呼び捨ては優実が慣れるまで待ってやるよ。
・・・てゆうか、優実って男嫌いな訳?この前だって襲われてた時、すげぇ怯えてたし」
いつになく心配そうに聞いてくる鳥羽君。