蒼色ルーム
少し早めの下校で電車に乗る。紗和も茜も用事でいないから1人。
朝みたいに混んでないからストレスが溜まらなくていい。
「……あ」
「あ……紺」
最近、電車でよく会う。
俺は葵の隣に腰掛ける。
「あのさ…紺。私さ…」
すかすかの電車なのに俺と葵は肩が触れ合うぐらいの距離に座る。
だからかわかんないけど、小声になる。
「…どうした?」
茜がいるとわかっていながらも葵との距離にドキドキする。
変なの…このドキドキ。
「桃里さんのこと、好きかもしれない」
「…は?」
電車の中で言われた一言。
葵が桃里さんのこと好き?
有り得ないだろ。だって、会って2週間だぞ。
で…好きになるなんて気の迷いかなんかだろ。