恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



「……希子が決めたんなら、それでいいよ」

「あたしもなにも言わない」



ふたりの言葉になにか答える代わりに、笑顔を見せる。
するとふたりはお互いの顔を見合わせて、困ったような笑顔を返してきた。


これで、いいんだ。
きっといちばんいい方法。



莉子もあたしも、悲しんだり苦しんだりすることも、きっとないはず。


だっていつかは、好きなんて気持ち、忘れちゃうんだから。
それを待てばいいよね。



「あ。 ……雨降りそう」



窓に視線を向けた芽依が、ぽつりとそうつぶやいた。

灰色の空は、いまにも雨を降らしそう。



「あたし、傘持ってきてないよう! 芽依ちゃんときーちゃんは、ある?」

「あたし、持ってきてない! 芽依は?」

「私もない」


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