腹黒い私の策略




夜になると、家の灯りから美味しそうな匂いや、お風呂の清潔な香りがしてくる住宅街。



だけど、歩行者はほとんどいない。



そうすると、必然に私とマサヒロの声が嫌でも響く。



深く深呼吸をして、マサヒロの服の裾を掴む。



「どうかした?気持ち悪い?」



酔いなんかすっかり醒めているのに、マサヒロは振り返って、立ち止まった私を心配そうに見る。




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