腹黒い私の策略




「…マサヒロ」


「ん?吐きたい?」


「ううん。そうじゃない」



まともに顔が上げられない。


いつも余裕ぶっている私が、足が震えるほど緊張しているなんて、我ながら滑稽だ。



「ねぇ」


「ん?」



もう一回深呼吸をして、思いきって顔を上げる。



マサヒロの顔は電柱の逆光で良く見えないが、今はそれで構わない。



「好きな人、いる?」




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