レイアップ


これくらの質問は質問の内に入らないだろう。

これといって観光名所もなく、都会でも田舎でもないこの街に、一年の内で最も人が集まる日。数千発もの音と光の大輪が夏の夜空に美しく咲く花火大会。

花火が嫌いな女なんてこの世にいるはずがない。


「うん。好きだよ」

予想どおりの解答が返ってきて、おれは思いきってミウを誘ってみた。


「明日の花火大会一緒にいかないか?」


それは、紛れもなくデートの誘いだった。


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