レイアップ



「そうだな。おれには大勢ファンの娘たちがいるから、たまにはファンサービスもしないとな。」

つまらない冗談を返してこの話は終わった。


キャー、キャーいわれていた昔が懐かしかい。

下駄箱や机の中にはいつも女の子からの手紙。放課後には校舎の裏や非常階段に呼び出される。

いったいあの娘たちはどこへ消えてしまったのだろう。


人生には二度、モテ期なるものがあると、バカで遊び人のクラスメイトがいっていたが、それが今で無いことが無性に悔しかった。

二度しかないのなら、せめて、その貴重な二回を自分でコントロール出来たらいいのに。そしたら、タイムアウトを宣言するように、審判にコールするだろう。

おれのタイムアウトは試合前に終わってしまったらしい。

(そんなのってアリ?)




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